ポンコツOLのゆる記録

孤独なポンコツOLが、ただ好きなものや日々のことを書いていくだけのブログです。

京都ソロ散歩 前編

 

 旅行が好きだ。3世代同居が少なくない地方には珍しく、両親の実家が海を挟んでいることもあって、物心ついた時には飛行機に乗って祖父母の家に行くことが当たり前だった。父は仕事が本当に忙しい人で、平日も週末もあまり顔を合わせる機会がないタイプだったが、長期連休は毎回、自分も疲れているだろうに何時間も車を走らせて全国あちこちを家族旅行した。海外も何回か行ったし、沢山思い出があるから、誰かとする旅が好きだった。

 一人暮らしを始めて4年目になる。1,2年目はこの地域に長期旅行しているような感覚で楽しめたのだが、3年目から少しずつ慣れてしまってつまらなくなってきた。そこで考えたのが、ずっと憧れのあった一人旅だった。

 そんな憧れだった一人旅も、今となっては当たり前になってしまって、何なら前日に突然宿を取ったり、ノープランでとりあえず現地に行ったりするような適当ソロ(散歩)旅をする女になってしまった。もし何かあっても自己責任だし、自分だけのために時間を使えるのはとても楽しい。昔から1人行動が平気なタイプだったので、自分には向いているみたいだ。

京都ソロ散歩

 関西方面に住んでいるので京都には年に数回行く。ただ、いつも行くのは由緒正しい寺社仏閣ばかりで、京都の良いところの1/10も楽しみきれていないと思い、今回は以前電車内から見えた京都水族館を訪れてみた。

京都水族館

 将来の夢(職業とかではなく死ぬまでにやりたいこととして)に海で鯨と泳ぐことというのがある。海はなんだか神秘的な感じがあって、その神秘のほんのちょっとだけ、一部分をぎゅっと詰め込んだ水族館が好き、というよりも神聖な場所な気がしてお気に入りの空間である。生まれ育った愛知の名古屋水族館には、心が疲れた時に大学をサボって年パスを使って逃げていたものである。

 初めて訪れた京都水族館は、思ったよりも京都駅からずっと遠かったが、思ったよりも天気も悪くなかったので住宅街を完全に京都市民の顔をして汗ダラダラこぼしながら歩いた。そこまで大きくはないが、建物はシンプルでスタイリッシュ。

 ネットでチケットを購入していたのでサラッと入館。入館してすぐに京都水族館の名物、オオサンショウウオがお出迎え。この風貌、随分昔にどこかで見た気がする。どこだっけな、記憶違いでなければ、赤目の滝の日本オオサンショウウオセンターだった気がする、なんて思いながら見つめていたら、隣にいた男児が目をキラキラさせて『怪獣!』と喜んでいた。君が見ていたのは特別天然記念物なんだ、それって凄いことなんだぞ。

 印象的だった“京都クラゲ研究部”。エリア、クラゲワンダーの一部で、飼育スタッフさん方の繁殖・研究などの、いわゆる裏方でやる作業を目前に見れる場所。少年たちと共に釘付けになってしまった。最近はあちこちの水族館で少しずつバックヤード見学が始まっているが、ただ生き物を世話して展示しているだけでなく、こういった研究している姿を見ることができるのは、知識や興味の幅が増えるのでとても良い取り組みだと感じている。

 

 研究者になりたかった。海洋研究の方ではなく恐竜、ひいては考古学方面の学者になりたかった。親戚からプレゼントされた恐竜図鑑をボロボロになるまで読み込んだり、あちこちの恐竜博物館に両親に連れて行ってもらった。今でこそ家族中で一番コミュニケーション能力が高い私だが、人との接し方がよく分からず友達が少なかった当時の私には、本や図鑑が友達でその世界にのめり込んでいた。中学以降は理数系の科目が苦手だったが、生物と地学分野だけ異様に点数が高かった。分かりやすすぎる。

 結果的に考古学の分野に進まなかったわけだが、それは家族からの反対にあったからである。学芸員になるにせよなんにせよ、就職先が少ないことを心配してのことだった。他に学びたい学問も無くはなかったので、無難に法学部に進み、無難に学んだ学問とは全く関係のない製造業に就職した。研究職に進んだ知人もいたのだが、大学を卒業してからこの国の研究職は不憫すぎるなと気付いた。下りない予算、大して貰えない給料。人類の発展に通じる研究でさえも、賞賛されるわりに対価が見合っていないと聞く。過去の歴史を解明する研究はどうなってしまうのか。大学で仲良くなった恐竜関連の外部講師に聞いたら『若手の研究職は経済的には大変だよ、でも好きだからね』と苦笑していた。やはりそういうことらしい。

 だからこそ博物館や動物園、水族館、美術館にいて目がキラキラしている子供を見ると、昔の自分に重ねてしまって悔しさと頑張ってほしいという思いが出てきてしまう。私は親の立場ではまだ無いが、幼少期から「学問」と「知識」に触れる経験はしておいた方が良いと思うし、私がなれなかった存在を諦めないでほしい。

 

 そんな自分語りは置いておいて、写真をいくらか撮ってきたので思い出に貼っていきます。

 今回は水族館(と私の人生)についてのみ書いたので、次は午後に行ったカフェの話でもしたいな。このブログを読んでくださる方が少しだけいるみたいで嬉しいです。今後も好きなこと好きなように書いていくぞ〜!

 

 それでは今宵も良い夜を、おやすみなさい。